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リフレ政策への批判とその変遷

「雇用が増えたといっても非正規だけ」
「物価が上がって実質賃金が下がってるから意味がない」

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 ・実質賃金が下がることにより、雇用が回復し、労働需給が逼迫することにより賃金が上昇する
非正規雇用から先ず回復し、その後正規雇用に波及する
・給与もまず非正規雇用から伸び、その後正規雇用にも波及する

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  と、あらかじめアベノミクス(というよりクロダノミクスという方が正確か)支持派が、当初からいっていたこと。
 あと日本特有の問題(というより現象)として、高齢者雇用安定法にもとづき60歳以降の再雇用(又は定年の延長)も要因の一つ、統計見りゃわかることなんだけど。
 
 そうすると、こんな意見が出始めた。
「平均給与が減少している」
 
労働市場にこれまで参加していなかった層が入り始めると平均給与が下がるのは当たり前。
 たとえば、4人が100,90,80,70の給与を稼いでいるとする。すると平均値は85になる。
 これが5人となり、100,90,80,70,40となるとその平均は76になる。 あら大変賃金の平均下がってる、コレハタイヘンダワー!
 なお雇用者報酬総額で見ると、前者は340で後者は390で後者のほうが大きい。まあこれまで所得0の人が稼ぎ始めたんだから当然だけど。
 また未経験の人を雇った際、どんな職場でもその職場のベテランやエリートと同じ待遇にするわけがない。スキルを持っている人が会社を渡り歩くの(転職)とは違うのだから。
 ああ、あと再雇用(嘱託)の方の賃金がカットされるって影響もあるだろう。身近な例だと「再雇用で給与半分だよ」というグチはよく聞く。その半分でも新卒より賃金高いのだけど。ただこれが多いと当然「総額」は減る。
 100,90,80,70の4人がいて、100の人が定年をむかえて給与を50にされたとする。失業が減らない(雇用が増えない)段階で(且つ定昇凍結ベアをなしとした場合)だと、当然総和は、340から290へ、平均は72.5に下がる。 

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  あれおかしいな。確かに平均給与も雇用者報酬総額も減少傾向が続いていた、この20年。だけど政策変更があってから雇用者報酬総額は増え、平均給与も最近は下げ止まりの傾向を見せている。なんでだろうね。

 

「失業”率”が下がったのは"生産年齢人口(15歳以上-64歳以下人口)"が減っているから」 

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 自分が大学を卒業する頃が丁度、日本の人口がピークとなった頃なんだが、その後6%近くまで失業率上がっていた時期もあったが、今は3%ですよ。3%切るかもしれない。矛盾してるだろ、その主張
 こういう人たちは、なぜか"労働力人口(就業者数+失業者数の総和のこと)"が増加している上に失業率が下がり、失業者数が減っている、という点を無視する。

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「物価が上がっていないから失敗」
「貸出が増えていないから失敗」
 
 物価が上がって実質賃金下がったーって批判して、その後は「物価が上がってないから失敗」と言い出す、もうなんなのか、この支離滅裂な主張は。日銀が目標達成できていないから失敗とね。
 いやいや、物価が最近あがらなくなったのは、「原油価格の下落」と消費税増税による「消費需要の低迷」が原因。ものが売れなきゃ値段は上げられないでしょう?
 故に、リフレ派の殆どは「消費税増税は(すくなくともデフレ脱却が明確化するまで)反対」と言い続けていたけど、お忘れのようだ。
 ちなみに貸出も増えてますね。小泉景気の水準をすでに上回っていますが、なにか?
 ああ、そういえば最近は
 
「実質賃金があがってるけど、それは物価が下がってる影響だから!」

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 なんてのまであるな、その点は否定しないけどね。名目賃金も上昇に転じていることを無視しちゃだめだよ、まあ「見えない」のだろうけど。
 
 
 
引用元:
雇用形態別雇用者数の推移
生産年齢人口と正規雇用者数の推移
生産年齢人口と非正規雇用者数の推移
労働力人口正規雇用者数の推移
 上記いずれも、総務省統計局 労働力調査より 但し、2016年のデータは1月から8月迄の月次データの平均値を用いている
http://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.htm
給与総額と平均給与
 国税庁民間給与実態統計調査より
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/jikeiretsu/01_02.htm
実質賃金指数(きまって支給する給与)の推移
 厚生労働省毎月勤労統計調査より 但し、2016年のデータは1月から8月迄の月次データの平均値を用いている
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001011791